2015年12月11日(金)13時から、12月半日合宿が、市ヶ谷のTKPカンファレンスセンターで行われました。そのなかで、J-Winの内永理事長による講演「Women to the Top!」も行われました。目標の持ち方や社内外のネットワークの活用の仕方など、女性がリーダーとしてキャリアアップしていく上での心構えについてメッセージがありました。
「Women to the Top!」
J-Win理事長
内永ゆか子氏
●スピード感のあるビジネスの世界で機会を生かす
今の世の中の変化のスピードはとても速いですよね。このようなスピード感のあるビジネスの世界で、どのように自分のスタンスを築き、リーダーシップを発揮していくか。今の社会は、たとえ失敗しても敗者復活戦は何回でもOKです。これを良いチャンスととらえてチャレンジしていってほしいと思います。
みなさんは30代から40代の方が中心かと思いますので「ワークライフバランス」について考えることも多いかと思います。仕事か家庭や子育てか。すべてを完璧に手に入れるのは難しいことです。どこにウェイトを置いてどこに自分の時間を多く割くのかを決めることが必要になります。子供を育てながら仕事をしてきた人の話を聞くと、物理的な時間は、ベビーシッターを利用するなど、さまざまなソリューションを活用することができます。しかしビジネスのタイミングは待ってくれません。子供を産んで育てることはすばらしいことですが、そのために一生をかける仕事をあきらめる必要はないのです。一番大事なのは気持ちがめげないこと。自分がやりたいことにプライオリティを置いて頑張ることが大切です。そう決めることで生き様が豊かになります。
●目標を持って、与えられたチャンスにはチャレンジを
男性にとってはキャリアを上げていくのは当然のこととしてとらえられますが、女性は同じ能力があるのに「自分はそこまでは無理」と、気持ちで負けてしまうことが多くあります。実際の能力以上に気持ちで損をしてしまうのです。女性はそれに気づかなくてはなりません。
まず、自分のキャリアに対して明確な目標を持ってください。紙に書いて、何年頃どうなりたいかを明確にするだけで変わります。気持ちをポジティブに持つことで、今よりも面白い仕事ができます。そして、与えられたチャンスは絶対に受けてください。係長や課長になったら、そこからさらに上を目指す気持ちを持ってほしいです。課長からさらにキャリアアップをしていく上では、実務をきっちりこなす能力だけでなく、トップになる人にふさわしいリーダーシップがあるかという別の能力が問われます。みなさんも、上のキャリアに進む目標を持ち、与えられたチャンスには貪欲にチャレンジしてください。それには自分としての価値を作り、軸をしっかり持つことが大切です。
●社内外のネットワークを大切に
キャリアが上がるほど、人と人とのつながりが重要になります。私も役員になってからそれに気づきました。人と人とのネットワークはギブアンドテイク。助けてもらった人のことは絶対に忘れないものです。貸したり借りたりのネットワークを大事にしながら、できる範囲で応えるようにしてください。その人は、いつかあなたがサポートを必要とした時に必ず力を貸してくれます。人間関係は仕事を進めていくなかで多くの役割を果たし、いろいろな人に助けられているものです。また、社内でメンターを作って活用することも必要です。メンターは歳の離れたずっと上の人が理想だと思います。ぜひ人間関係を上手に生かして、良いネットワークを築いていってください。
●キャリアアップは人生を豊かにする
私が仕事の上で心がけていることがあります。ひとつは自分でプライオリティを明確にすること。私の場合は、「この時間はこれだけ」と、やるべきことを明確にして仕事に向かうようにしています。プライオリティを明確にし、集中した方が効率がアップするのです。もうひとつは、仕事で失敗することもありますが、それを反省はしても引きずってはいけません。振り返り、何が悪かったかを考え、次に生かせば良いのです。そのあとは引きずらないと決めて前を向くことが大切です。
会社は、自分を認めてくれる上司ばかりではありません。自分の良いアイディアを実現したいという思いがあるのならば、自分でポジションを上げてそれを実現してください。その職場を変えることが会社全体を変えていくことにつながり、社会を変え、市場を変えます。これから先、自分の想いを発揮して良い会社に変え、そこで夢を実現させていくことがキャリアアップです。中間管理職は通過点に過ぎません。キャリアアップは人生における自己実現。どんな選択をしても人生は大変です。だったら大きなことの実現に自分をかけて頑張ってみませんか。