J-Win2月度定例会が、2015年2月10日(火)に神宮前の東京ウイメンズプラザで行われました。株式会社美・ファイン研究所の小林照子氏を講師に招き、「外見の輝きは心の輝きを創る~キャリアを目指す女性たちへ~」というテーマでご講演いただきました。女性がキャリアアップを重ねていく上での第一印象の重要性や、習慣づけたいスキンケアの方法など、ご自身の経験から得たエピソードを交えながらわかりやすく解説。人生を生きていく上で大切な"美意識"について、考えるきっかけを与えてくださいました。
ここでは、小林氏の講演をダイジェストでご紹介します。
「外見の輝きは心の輝きを創る~キャリアを目指す女性たちへ~」
株式会社美・ファイン研究所
小林照子氏
(*肩書は講演当時のものです)
●外見の第一印象を工夫することで目指す仕事に近づける
私は「コーセー」に35年勤め、美容部員から取締役になりましたが、取締役を務めた6年間は自社を、そして社会を違う視点から見ることができました。今日はそのような中で感じた、女性がキャリアアップしていく時に大切なことを私の視点からお伝えしていきたいと思います。
特に、人は第一印象が大事、ということをとても強く感じるようになりました。役員会の場には社内報が届けられ、記事に取り上げられている社員の話題になることがよくありました。すると「この人は最初の面接のときはこんな人だった」「若い頃はこんな人だった」…など、役員たちは社員の印象を実はよく覚えているものなのです。そしてまた、第一印象が仕事の与えられ方にもダイレクトにつながることを実感しました。私はコーセーを退職して「会社から社会へ」というコンセプトで独立しましたが、これは「第一印象を工夫すれば、目指す仕事がもっと早く手に入れられることもある」ということを世の中に早く伝えたいという想いがあったからです。
●"なりたい自分"に戦略的に変えていく
例えば、かわいらしくキュートな印象を持っている女性の場合、この子はかわいいけど仕事を任せるのは心配だ、と思われてしまうこともありますよね。一方、インテリジェンスな雰囲気の人は、見た目の印象だけで、大事な仕事を任せてもらえる可能性もあります。もちろん目指す仕事のためのスキルアップも必要ですが、そのスタートに立つためには外見の印象が少なからず影響するのです。目指す仕事を手に入れるためには、"なりたい自分"をイメージして、少しずつ自分を戦略的に変えていくことも大切です。特に、キャリアアップを目指す人にこそ外見を輝かせることで仕事をしやすくする"頭脳派ビューティー"を実践していってほしいと思っています。
●忙しい中でもできるスキンケアを習慣に
仕事に追われ、家庭との両立や子育てをする中で、肌のお手入れをする時間がないという人もいらっしゃるのではないでしょうか。「本当はお手入れをしなければいけないと分かっているけど時間がなくてやっていない」という罪悪感は今日から捨てましょう。ひとりひとりが自分なりの時間、工夫でスキンケアをやっていけばよいのです。クレンジングの後、熱めのお湯で絞ったホットタオルを顔にのせて蒸し、汚れをやさしく拭き取ることだけ、欠かさず習慣づけてください。皮膚にはすばらしい能力があり、丁寧に汚れを落とせば自分で潤う力を持っています。待てない人は化粧水や乳液、クリームなどを使用しますが、それを一本で済ませようと考えたのが「美容液」です。私は、仕事も子育ても忙しかった時に、ひとつだけ使えば良い化粧品が欲しいと考え、美容液を開発しました。当時は、6種類くらいの化粧品を順番に使うのが当たり前だったので、一本で済む美容液の商品化は社内で大反対されました。しかし、女性はみんなこれを待っているという信念がありましたから、私は働く女性の味方だという主義を変えませんでした。発売後、世の女性から大きな支持を得た美容液を世界で初めて商品化したことは、今ではコーセーが誇る歴史のひとつになっています。
●美意識を途切れさせないことが心の輝きに
忙しい毎日の中でも「美意識」を失わないことが大切です。老齢期で認知症の症状がある人にメイクアップをすると、笑顔でとてもよく話すようになります。美容が心を輝かせ健康を作り出す"マインドビューティー"です。しかし、中には美意識を取り戻せない人もいます。若い頃におしゃれをしていた人はそこに戻ることができますが、怠っていた人はその思い出が無いので戻ることができないのです。高齢になっても美しく元気に生きていくためには、若いうちから美意識を途切れさせてはいけません。
私はこの"美意識"に着目し、2010年に「青山ビューティー学院高等部」を開校しました。15歳から美意識を持ち続け、18歳になったときに世界中の人のために役立つ人材に育てたいと考えています。私は来月で80歳になりますが、まだ夢がありそれを言葉にして伝えることで、夢を実現できると信じています。みなさんも、美意識を持ち続けながら目標に向かって進み、キャリアアップにつなげていって欲しいと願っています。
【小林照子氏プロフィール】
1958年、小林コーセー(現コーセー)に入社し、35年間、美容研究から商品開発、教育などを担当し、取締役総合美容研究所長として活躍。1991年「会社から社会へ」のコンセプトのもとに研究を広めるべく「美・ファインの研究所」を設立。1994年に「[フロムハンド]メイクアップアカデミー」、2010年に「青山ビューティー学院高等部・東京校」、2013年に同・京都校を開校し、両校の学園長に就任。教育から商品開発、企画など、あらゆるビューティーコンサルタントビジネスを25年に渡り展開している。