5月度定例会が、東京・田町にある 女性就業支援センター(旧女性と仕事の未来館)4 階ホールにて開催されました。
今回は、3名の第2期J-Win女性メンバーから、J-Win活動を通して得たもの、そして第3期の女性メンバーに対するメッセージをお話いただきました。
さらに、本年4月からJ-Win 理事に就任された立教大学経営学部国際経営学科教授・尾崎俊哉氏より挨拶がありました。ダイバーシティという言葉に初めて触れる女性メンバーにも理解しやすいように、"あ・うんの呼吸"で組織内の意思決定がされる男性主体の従来の日本型企業の体質を「オジサン文化」と例えて解説。ダイバースされていないオジサン文化がグローバル市場で苦戦を強いられている現状、その現状を打破する可能性を握るのが女性を含めた多様な個性を有する人材であると強調しました。そして、メンバー全員に「自分の固定観念に縛られずに、変化を恐れずに、大いに活躍してください」と、はなむけの言葉を贈りました。
最後に「ネットワーキング・セッション」として、女性メンバー数人でグループを作りお互いを他己紹介しあいました。「ネットワークを広げると同時に、人から自分について語ってもらうことで、自分を再発見できた」と、大変好評でした。
ここでは、第2期J-Win女性メンバーのメッセージを一部ご紹介します。
㈱ソニー・コンピュータエンタテインメント 新藤さより氏
(学生キャリア教育支援分科会)
私が参加した分科会は、「学生キャリア教育支援分科会」で、「企業で働くことを選択し「Women to the Top!」を目指す次世代の人材を増やすこと」をミッションとして掲げ活動をしました。1年目で高校のキャリア教育事情を調査したところ、「企業で働くことが、どのようなことかイメージがわかない」という教員の方々が多いことが分かりました。そこで、企業で働くことのおもしろさも伝えたいと考え、2年目に入ってからは、キャリア教育のサポートツールを作り、企業と学校の架け橋となるための活動を開始しました。前任のリーダーが多忙を極めたこともあり、ちょうど2年目から、私が分科会リーダーを務めさせていただきました。
教員の方々のリクエストもあって、実際に企業で働くロールモデルを示すため知ってもらうために、私たち自身の経験談をまとめた冊子の作成も行いました。この経験によって、自分自身のキャリアを見直し目指す姿を確認するきっかけにもなり、メンバー全員が取り組んでよかったと感じています。
分科会のチーム内で学校訪問を行うための営業、資料を作成するクリエイティブ、裏づけデータを収集する研究の3チームに分け、それぞれの役割りを明確にしたことで、活動は格段に充実しました。そして、リーダーを務めさせていただいた私も、組織を動かすということを改めて学びなおすことができました。じつは、その頃の私は仕事の壁にぶちあたっていて、自信を失いかけていたので、J-Win活動は私に大きな力を与えてくれました。
第3期メンバーのみなさんに特におすすめしたいのが、海外研修です。経費もかかりますから、弊社でも最初は参加が厳しいと諦めていたのですが、ちょうど社長にJ-Winの活動報告をする機会があったので、その際に直接ご相談して、参加することができました。ダイバーシティというものを肌で感じ、また、グローバルなビジネスパーソンにふさわしい振る舞いを内永理事長や訪問先の女性リーダーから直接学ぶことができる貴重な機会となりました。さらに、この時の社長へのプレゼンがきっかけとなり、弊社内にダイバーシティ推進プロジェクトが発足したことは、とてもうれしいできごとでした。
日本電信電話株式会社 松浦由美子氏
(技術系分科会)
私の職場は、いえ学生時代からそうなのですが、理系・技術系ということもあって圧倒的に男性が多く、私自身はそういう環境にすっかり馴染んでいました。ですから、このJ-Win活動に初めて参加した時には、戸惑いを感じました。けれども、メンバー同士でコミュニケーションをとっていくと考え方・感じ方が近いと感じる仲間もでき、同時に、人それぞれの個性と経験、目指している「Women To the Top!」の形もちがうのだということを知りました。そして、お互いにそれを応援しあい、切磋琢磨できる仲間になれたということがとても大きな財産となっています。
分科会は「技術系分科会」に所属していたのですが、その活動内容はひと言で言えば、エンジニアの女性の中で「トップを目指そう」と考えている女性が、その志を持ちながら働き続ける環境作りでした。
特に国際的な女性エンジニアネットワークのSWEとの交流を得たことで、一人ががんばればいいのではなく、次世代の女性エンジニアのことも考えていくべきだという意識が芽生えました。エンジニアには自分の技術を磨くことに集中しがちで、組織のリーダーとしてキャリアアップするという道に気付かない、あるいは躊躇してしまう人も多い。そういう道もあるのだと気付くだけでも、仕事の仕方が大きく変わりますから、そのきっかけを作りたいと思いました。これからもOGネットワークとして、引き続き活動していく予定です。
私個人としてとくに印象深いのは、APEC/WLNの技術系女性のためのサイドイベントのパネラーとして、壇上でお話をさせていただいく機会を得たこと。大変貴重な経験でした。
J-Win活動は初めての取り組みばかり。こういった活動には正解がなく、だからこそタスクが沢山あります。その中から自分達がやってみたいこと・やるべきと考えたことから着手してみて、成功も失敗も貪欲に吸収していただきたいと思います。
株式会社インテージ 徳田治子氏
(グローバル企業調査分科会)
J-win 第二期は全メンバーで200人超/15程の分科会でスタートし、その中で、私がリーダーを務めた「グローバル女性リーダー・企業調査分科会」は約30名のメンバーが所属する2期の中で一番人数の多い分科会で、幅広い業種から様々な職責のメンバーが集まりました。
分科会開始時点では、メンバー達はそれぞれ、これからのステップアップを目指そうとする上昇志向はあるものの、どのように具体的な行動を取ればよいかがわからず、このため、新たなことに挑戦したり、自分が中心となってプロジェクトを進めていったりすることを「難しい」と考えて「あと一歩」を踏み出せないでいる状態でした。
この2年間のJ-winの活動を通して、分科会のメンバー同士で一つのテーマについて議論し、実際にグローバルで活躍している方々や企業の経営者と交流し、「大きなヒント」をいただくことなどにより、自分自身の強みは何か、足りていない能力は何か、について発見することができました。そして、自分が「あと一歩」前に進み、「グローバルリーダーになる」ために何が必要かについて自分自身で考え、目標を明確にして、行動に移すことができるようになったのです。
いま、分科会のメンバー達は、グローバルリーダーは憧れるだけのものではなく、目指すものだという意識が芽生えたことで、活躍の幅をどんどん広げています。実際に、ある保険会社勤務のメンバーは、新規で支店を開設するという社内公募を見て、自ら支店長に立候補し、その立ち上げに成功しています。
J-Win活動は、積極的に参加すればするほど自分へのフィードバックが大きいものです。失敗しても失うものはないのですから、どんどん手を挙げてリーダーシップを体感してほしいと思います。それが、会社内でキャリアアップへの大きな力となるはずです。
J-winでの活動を通して、これからの皆様の人生にプラスとなるものをきっとつかめると思います。是非、それをつかむために「積極的に」「自分らしく」「女性らしく」活動に参加してください。
※ 松浦氏と徳田氏は、J-Winホームページの「しなやかに、したたかにキャリアアップ 輝くJ-Win女性メンバーたち」にてインタビューを行っています。バックナンバーもご覧ください。