「女もヒーローになる時代」
株式会社感性リサーチ代表取締役 黒川伊保子氏
コンピュータメーカーにてAI(人工知能)開発に携わり、脳と言葉の研究するなかで、やがて脳機能論の立場から、語感の正体が「ことばの発音の身体感覚」であることを発見した黒川伊保子氏。その後AI分析の手法を用いて、世界初の語感分析法である『サブリミナル・インプレッション導出法』開発に成功しました。これは、言葉の働きやイメージ喚起力について分析し語感を数値化したもので、指標としてマーケティングや商標管理へと応用が可能であることから、「マーケティングの世界に新境地を開拓した、感性分析の第一人者」として、今、大変な注目を集めています。
2009年最後の定例会、同時に「2013年からスタートする新時代」の夜明け前でもあるこの時に、黒川氏からご講演をいただきました。
「2013年からスタートする新時代」とは、黒川氏ご本人による言葉です。ヒトの脳は、免疫の中枢を担う骨髄液が7年で入れ替わっているそうです。この現象によって「ヒトはある刺激に対し、7年たつと反応が鈍くなる(=飽きる)」という特性があり、人々が同時に同じものを見聞きし飲食する現代社会において、1つの流行は7年、大衆全体の嗜好傾向つまり"時代の気分"は7の倍数年による周期を描いている。この法則に照らし合わせると、2013年は、これまで続いてきた時代の気分「自己愛(自分カワイイ)」が終わり「誇り高さ・本物」を求める"真のヒーローの時代"の幕開けの年になると黒川氏は予測しています。
このトレンドの流れをココ・シャネルの活躍などを例にとり解説。そして、「来る2013年には、J-Winメンバーの皆さんには、あえてヒロインではなく、シャネルのように古い常識を壊し時代を切り拓く"女性ヒーロー"として名乗りをあげていただきたい。そのための準備と心構えを、どうか今から始めてください」という熱いメッセージをいただきました。
さらに黒川氏は、ヒトの脳は性別や年代によってホルモンバランスが大きく異なることにも触れ、そのために生じる男女の意識の方向性や行動、得意分野の違いについて、ご自身の経験談も織り交ぜながらお話くださいました。講演終了後、男性上司はもちろん男性部下を持つ立場でもあるメンバーたちから、「今まで"なぜ?"と思っていたことの答えがあった」「さっそく職場で活かすことができそうな内容だった」という声がありました。
(記・J-Win事務局広報部)
【黒川伊保子氏のPROFILE】
株式会社 感性リサーチ代表取締役、感性アナリスト、随筆家、倉敷芸術科学大学非常勤講師、日本感性工学会評議員。
1959年 長野県に生まれ、栃木県にて育つ。
1983年 奈良女子大学 理学部 物理学科卒業後、(株)富士通ソーシアルサイエンスラボラトリにて、14年にわたり人工知能(AI)の研究開発に従事。その後、コンサルタント会社、民間の研究所に勤務する。
2003年 (株)感性リサーチを設立、代表取締役に就任。
2004年 脳機能論とAIの集大成による語感分析法『サブリミナル・インプレッション導出法』を発表。サービス開始と同時に化粧品、自動車、食品業界などの新商品名分析を相次いで受注し、感性分析の第一人者となる。
2005年 倉敷芸術科学大学非常勤講師就任。
2006年 大前研一アタッカーズビジネススクールにて、感性マーケティング講座を開講。
著書は「ナチュラル女子脳がやってきた~どうして女子社員はあなたの言うことを聞いてくれないのか~」(東京書籍)、「なぜ、人は7年で飽きるのか」(中経出版)、「しあわせ脳に育てよう」(講談社)、「恋するコンピュータ」(筑摩書房)、「女たちはなぜ口コミの魔力にはまるのか」(KKベストセラーズ)など多数。