「J-Win第8期High Potentialネットワーク・九州 1月度定例会」を、2019年1月25日(金)にアクロス福岡で開催し、11名のメンバーが参加しました。

■組織のTOP・キープレイヤーをめざしていくために

九州支部単独開催の最終回となる今回の定例会の目的は「Women to the TOPに向けた視座の高め方、知見の広げ方」。
九州メンバーは活動当初TOP志向、リーダー志向が東京、関西と比較し低い状態にありましたが、これまでの定例会を通して意識・行動変革を起こしてきました。今回は、組織のキープレイヤーになるためのマインドをTOPの視座から学び、自分のキャリア・行動に壁を設けず、幅広い知見を広めるために、具体的に行動を起こすヒントを見つけることをねらいとしました。

【1月度定例会　アジェンダ】
■ワーク①：これまでの活動を通じてのマインド変化を発表
■講演「AI・RPAなどデジタル時代を勝ち抜くために」
　　　　　損害保険ジャパン日本興亜株式会社 執行役員熊本支店長　野間 和子　氏
■ワーク②：組織のTOP・キープレイヤーを目指していくため今後の取り組みを宣言

ワーク①では、これまでの活動を通じてのマインド変化を発表しました。自分の思いや考え方の変化、成長に対する気づきが得られ、「自信がついたことに気づいた」「めざすべきリーダー像が明確になった」「自分次第でどうにでも将来が変わると再認識できた」などの声が挙がりました。

講演は、J-Win Executiveメンバーの損害保険ジャパン日本興亜株式会社 執行役員熊本支店長 野間 和子氏を迎え、「AI・RPAなどデジタル時代を勝ち抜くために」をテーマにお話しいただきました。
一般職として入社した後、さまざまな経験を積み重ねながらキャリアアップし、リーダーとしての歩みを進めてきた野間氏。特に、営業現場でのお客様とのやりとりの中から、損保や生保の役割や大切さを見出してきたエピソードには、仕事の原点についてあらためて考えさせられました。講演後には、「熊本地震を振り返ってどのような気づきがあったか」という質問に対して、約7万件もの支払いを最も早く行った事例が紹介され、リーダーとして行動力とスピードを持って取り組むことの大切さを考える機会となりました。

講演後のワーク②では、TOPの視点を持つために自分に何が必要か、それを踏まえて組織のTOP・キープレイヤーをめざしていくために具体的に取り組んでいくことの宣言を行いました。
定例会後のアンケートでは、「部下には背中を見られているというより、常にすべてを見られていることを意識すること。スピード感を持つこと。部下の手柄を作ること。変化はチャンス、苦労した分成長できること」を意識して取り組んでいきたい」「徳を積むこと。また世の中の流れを知ること。会社の通達・ニュースをいち早く確認し、物事を先読みして行動する」などの回答があり、TOP・キープレイヤーをめざして今後具体的に取り組んでいくことが導き出せた会となりました。


以下に講演の様子をダイジェストでご紹介します。
（＊社名・肩書き等は講演当時のものです。）


●会社人生の大きな土台となった営業所での経験

私は高校を卒業後、安田火災に一般職として入社しました。40年前の熊本は、女性が就職しても数年で結婚し、退職するのが当たり前の時代です。私も23歳くらいで寿退社することを想像していました。そんな私に転機が訪れたのは、入社4年目に告げられた営業所への異動でした。熊本から少し離れた町にある営業所で、社員は二人だけ。保険の事務処理やお茶出し、事務所の前の草取り、時には資料を持って現場に駆けつけるなど、外を回ることも少なくありませんでした。当時は「どうしてこんな所に飛ばされたのだろう」と悲観的になっていましたが、この営業所での経験が私の会社人生の大きな土台を作ってくれたと思っています。
営業所で10年経験を積んだ後、熊本支店の「直営室」という、これから代理店になろうとしている人たちを育てる部署に配属になり、人生を変える経験をしました。そこで出会った上司が、「代理店の仕事を知るには、同じ経験をした方がいい」とアドバイスをしてくれたのです。その頃の私は、営業が持ってきた申込書をチェックして本社に送るという業務は10年以上の経験があり、保険のことは何でも知っているようなつもりでいましたが、実際にお客様に説明して申込書をいただいたことはありませんでした。あるお客様のお宅に通い続けて12回目に初めてお家に上げていただき、28,000円の保険の申込書をいただいたとき、目からうろこが落ちる思いでした。お客様に説明を重ね「このプランに決めたよ」と言われ、一枚の申込書ができるまでに、どれだけの苦労と努力が詰まっているのかを私はその時に初めて知ったのです。

●損保から生保へ、そして東京本社での多様な経験を生かしリーダーに

それから意識が変わり、営業にも積極的に出るようになりました。一方で、損保の営業でも生命保険のことを相談されることが数多くあることに気づいたのです。私は「生保を知らなければだめだ」と思い、当時のINAひまわり生命に自ら手を上げて出向し、代理店になる前の研修生とともに営業に駆け回りました。ここでも忘れられない経験があります。生命保険の見直しに悩んでいたお客様に求められたプランを苦労して作り上げ、申込書をいただいたとき、お客様に「これでゆっくり眠れます」という言葉をいただき、生命保険は人をほっと安心させることができる、すばらしい仕事であることをあらためて実感しました。
その後、福岡勤務を経て、全国がフィールドになるグローバル試験にチャレンジし、初めて東京本社に転勤。本社では規定を作成する仕事や不祥事対応など、慣れない業務に追われる中で顔面神経麻痺を患い入院したこともありました。東京で悩みながらも人脈を広げる努力をし、その後に異動したコンプライアンス部では営業現場での経験を生かしながら経験を積み重ねました。そしてまたあらためて営業の現場に出たいと思い、熊本のひまわり生命の支店長になった時から、私のリーダーとしての人生が始まったのです。

●今の時代を勝ち抜くためには「変化はチャンス」と捉えてチャレンジを

私はリーダーとして部下に接する上で、「若いうちにしびれるような体験をさせること」「弱みを鍛えるより、強みを伸ばすこと」などを大切にしています。また、今の時代はスピードも戦略です。8～9割の完成度でも先に進めることが重要で、「拙速は巧緻に勝る」を常に意識しています。課長になった頃からは「全員面談」も実施し、部下の仕事以外の一面を知ることの大切さも実感しました。そして、リーダーとしての醍醐味を最も感じられるのは「腹をくくる瞬間」を味わえるということです。上司に言われるのではなく、自分で決めるということ。それは、仕事上の大きな決断であったり、人の人生を変えるような人事であったり、さまざまな場面があります。こうした腹をくくる瞬間をいくつも乗り越え、組織を動かしていく喜びを皆さんもぜひ味わってください。
これからの時代は、AIやRPAなどの導入が進み、デジタル化がますます促進されていきます。こうした時代を勝ち抜くためには、「変化はチャンス」と捉えることが大切です。慣れた部署からの異動や転勤は成長するための最大の機会だと捉え、ぜひ新しいことにチャレンジしてください。J-Winでは内永理事長に「馬に乗ったら下りるな」と繰り返し教えられました。皆さんは会社に選ばれてここに参加している時点で既に馬に乗っています。ぜひ挑戦を楽しみながら、馬に乗り続けてください。



-　部長から役員になるため（TOPになるため）に必要なことや、地域貢献の視点を学べた
-　これまで本当に色々な経験をされてこられたのだということにたいへん驚くとともに、どんな仕事でも常に全力で取り組むことの大切さを改めて学んだ
-　周りの人の困ったことは何か、役に立つことは何かを常に考えるといった逸話はとても印象的であった
-　徳を積むこと。TOPになるためには業務だけでなく人間性においてもロールモデルとなれるような人間をめざしたいということが一番心に残った
-　仕事だけではなく、趣味のお話も織り込みながら、ボリューミーなお話を聞かせいただき、今の時代においてどういう姿勢で実り多き人生を歩む事ができるかについて多くのヒントを与えていただいた