「J-Win Executiveネットワーク1月度定例会」を開催しました。
今回の定例会はオンラインでの開催。Executiveネットワークメンバー52名が参加しました。
定例会第二部では、講師に東京ガス株式会社 執行役員 水素・カーボンマネジメント技術戦略部長 矢加部 久孝氏をお招きしました。COP21以降、世界的な脱炭素化の流れが加速し、欧州を中心に世界中でカーボンニュートラルの目標が掲げられています。日本でも、一昨年10月、菅前首相が2050年カーボンニュートラルの実現を宣言し、METIも2兆円もの基金を準備して14の重点分野を設定。国を挙げての脱炭素化技術のサポート体制を整え、水素社会実現に向けての取り組みが加速化し始めました。
国内外の脱炭素化の取り組み、その中でも水素社会の実現に向けた政策と技術的な動向をご紹介いただきました。脱炭素に向けた潮流から日本の状況並びに企業としての取り組みまで一連の流れを学ぶ非常に貴重な機会となりました。
■ 定例会 第一部
定例会第一部では、Executiveネットワークの活動報告から。先ずは、メンバー拡大において目標の10名達成が報告され、新メンバーの紹介がありました。引き続き、価値拡大委員会より提言の総論 『【JEN価値拡大活動】価値伝播プログラム』 の作成について報告されました。後進育成委員からは1/28実施予定のNext Stageネットワークメンバーとのラウンドテーブルについて、グローバルネットワーク委員会からは、12/6に実施した駐日女性大使メンタリング中間報告会について報告がありました。
■ 定例会 第二部
第二部では、東京ガス株式会社 執行役員 水素・カーボンマネジメント技術戦略部長 矢加部 久孝氏をお招きしてご講演いただきました。
(*肩書き等は講演当時のものです。)
Q:ZEBの太陽光蓄電技術についてのお考えを教えていただきたい。
Q:テナントビルのZEB化がなかなか進まないというお話を聞いてそうだろうなと思いながら感じたのは、技術を深化させていくことと同時に、社会制度、税制面での優遇などのインセンティブがなければ、なかなか2030年、2050年の動きが作れないのではないか。
Q:海外におけるZEBの普及状況についても教えていただきたい。
―世界の命題である温暖化防止対策を日本として明確な意思をもって進んでいくべきとあらためて感じました。今後も日本の動向、世界の動向を注視し、自分でできることは何かを常に考えて行動したいと思います。
―地球温暖化は地球に住む全人類の問題であり、他人事ではないことを同僚とも真面目に話し合いたい。社会課題を解決し、新たな価値を提供することを標榜しているので脱炭素に向けてどのようなことに取り組んでいる事例をしっかりと理解したい。
―日本は震災以降、火力発電に頼り、CO2削減が停滞していると思っていたが、時系列や国別比較をデータで見ると先進国の中では低く抑え、削減も実行できているのだとわかった。また、漠然と、設備投資して水素を活用すべきだと考えていましたが、ファイナンスが付いても、リターンが何時になるのか、安価なエネルギーとするには更なるアイデアが必要なのだと理解した。技術的な難しいお話もあり、消化不良ぎみだったが、事実を知ることが大切だと実感しました。
―カーボンニュートラルの考え方や手段の多様性やその背景で起こっているエネルギー会社の努力や技術革新を少し理解することができたので、今後のサステナビリティ経営の中に選択を持つことができた。
【矢加部 久孝 氏のPROFILE】
東京ガス株式会社 執行役員 水素・カーボンマネジメント技術戦略部長
1988年 東京大学物理工学科卒業 同年 東京ガス(株)入社
1991年 超電導工学研究所出向
1995年 東京ガス内研究所
1996年 筑波大にて博士(工学)取得
1997年~2009年 燃料電池の研究開発に従事
2010年~2019年 東京ガス内各研究所所長、燃料電池事業推進部燃料電池開発
Gマネージャー
2020年 基盤技術部長
2021年 水素・カーボンマネジメント技術戦略部長
国内外委員等
・IGU(国際ガス連盟)のR&D&Innovation委員会 委員長、水素エネルギー協会 副会長、
エネルギー資源学会 理事
・東京湾岸ゼロエミッション協議会 幹事、NEDO及び科学技術振興協会の評価委員