「J-Win Executiveネットワーク1月度定例会」を、2021年1月13日(水)にオンラインで開催し、46名のメンバーが参加しました。

【アジェンダ】
■グローバルネットワーク活動報告
■ Next Stage支援プログラムについて
■ 2月度合宿について
■ 価値拡大活動報告
■ 次年度定例会について
■ ご講演 「リーダーシップの未来」　独立研究者　著作家　山口　周氏　
■ 質疑応答　


(＊肩書き等は講演当時のものです。)

～講演後の質疑応答より～

Q：　アートな力を高めるために山口さんが日頃取り組まれていることは。
A：　実は私はサイエンスがすごく好き。サイエンスで解くべき問題はサイエンスで解いたほうが良い。サイエンスもアートも両方使えるのがこれからのリーダーのリテラシー。アートに関しては、長く残っているものに沢山触れるのが王道。長く残る＝自然淘汰をくぐり抜けている＝愛される確率が高いものが残っている。集団としての人間が何を好むかの学びがある。センスは専門家と違っても良いと考えるのがARTの考え（正解がないのがART）。美術の歴史は、良い評価を得ていたものが無価値になることの繰り返し（サイエンスは覆らない）。正解としての美意識があるとは思わないように。

Q：　ヒューマニティを取り入れたビジネスの成功の指標はどのようななものになるでしょうか。
A：　難しい質問。今だと、米国のBコープ（Benefit Corporation）のスコア化の指標。SDGｓの指標とか。財務諸表だけ見て投資している投資家はもういない。もう少しコンパクトなものとして考えられるのは、従業員がやりがいを感じている割合、自分の仕事が意味あると思えている社員の割合、環境保護活動への取り組み度合等。Social バランススコアカード。いくつかの指標で公的に評価する機関が出てくれば良いと思っている。

Q：　日本の大企業のほとんどは、意味のない受験勉強を延々とできるエリートに支配されていて、コロナで世界が変わろうとしているにも関わらず、むしろコロナが過ぎれば元に戻れると信じているように思う。彼らの意識を変えるためのキーワードがあれば教えてください。
A：　在宅の普及で、都市の在り方が非常に変わってきて、いろんなところに連鎖して大きな影響がある（Transportationや小売り等）。ただ、企業の幹部候補のワークショップに先日出たが、変わらないと思うと言っていた。インターネットやYoutube出現のときも、変わらないという人はいた。　マッキンゼーのレポート（What's next for remote work）によると、高額所得層（金融関係等）の半分から7割がリモートワークに。希望的に元に戻ると思っている人にはこういうレポートをぶつけてみる。first advantage取るためには、日本のメディアはダメだけど、海外のメディアに網を張っておくとよい。例えば、Wallstreet Journal, Financial Times, New York Times　といった主要な外資やマッキンゼー、アクセンチュア、BCG、ATカーニー等のシンクタンクの最新レポート。どういう世界が来るか想像するためにワークショップをしてみては。

～講演の感想～
-　社会の価値観の変化に対応するよう、組織も自分自身もUpdateの必要性を強く実感した
-　世の中の変化の潮流を捉え、高い視点から現在の企業経営を考えるヒントをいただいた
-　大局観ある内容で、コロナ後の世界が今までにもどることはないことを再確認した。
　　経営にヒューマニティーを取り入れる大切さ、サイエンスとアートの両軸、多様性を受け入れ耳を傾け、
　　ありたい姿を目指していくべきだと思った
-　視野の大きく広がる気付きの多い講演だった。漠然と感じていた世の中の変化、特に若い人たちを
　　中心に広がりつつあった新たな価値観を言語化・整理していただいたと感じている。
　　また、いわゆる企業のリスク管理におけるコンダクトリスクにつながる話だと思った
-　社会の課題と自らが抱える課題において「ありたい姿」を描くことにこだわり、
　　現状とのギャップを解消することにより意識を傾けたい
-　「正解であること」にとらわれすぎず「直観五感での判断」を採り入れる。
　　企業価値向上にとって「弱者を取り残さないこと」への重要性を再認識。
　　コロナ禍が自社グループに及ぼす影響についてより深く考察する