「J-Win Executiveネットワーク2020年度キックオフ」を、2020年5月26日(火)にオンラインで開催し、45名のメンバーが参加しました。

【アジェンダ】
■ 2020年度活動計画について
■ 新メンバー自己紹介／連絡事項(研究会等メンバー募集含む)
■ 内永理事長講話
■ 質疑応答
■ 次回定例会について／クロージング

■ 2020年度活動計画について
木曽川 栄子幹事長（アフラック生命保険株式会社）より、2020年度の活動の全体像と活動計画について説明し、活動方針と目標・テーマ・重点施策が共有されました。



＜2020年度Executiveネットワーク活動方針＞
Executiveネットワークは、変革を巻き起こす影響力を持つTOPリーダーが備えるべき要素を修得するための活動を実施していきます。
またメンバーを拡大するとともにいっそうの価値創造に努め、参加メンバーおよび会員企業にとって実践的で価値ある活動としていきます。

〇活動目標：　国内外の団体を巻き込み、インフルエンサーとして発信していく
－変革を巻き起こす影響力を身につける
－Executiveネットワークのブランド化（認知度向上）

〇活動テーマ：社内外・国内外に通用するグローバル視点を持ったエグゼクティブをめざした活動とする

〇重点施策：
① グローバルネットワークを含む他組織との連携を一層強化
② 後進育成によるGive Back
③ メンバー拡大
④ 外部団体との相互連携によるインフルエンスの強化

■ 内永理事長講話

〇このコロナ禍は考え方によってはプラスのファクターがあると思っている。仕組み・価値観・行動パターンが変わってくる。三密回避でチームは引き離され、チームで一緒にやるのでなく、個人でやるということにシフトしてきた。グループで集うことのバリューとはそもそも何か、自分自身がどのような価値観か、ということに直面せざるを得ない状況。

〇日本でコロナ前後に大きく変わると思われるのは働き方改革。テレワークは従来進まなかったが、コロナにより、否応なく向き合わざるを得なくなった。課題もあるが、慣れてしまえば問題はない。在宅勤務をした結果、各企業が口を揃えて言うのは、仕事のやり方、評価の仕方の変更の必要。今までは個としての仕事の達成度を評価するシステムになっていなかった。個人の仕事の中身、ジョブディスクリプションを定義し、ターゲットを決めないと評価はできない。これは、働き方改革の本質とも言える。日本はメンバーシップ型の仕事が多く、協力して共にやっていこうとするシステム。欧米ではジョブ型で、内容が定義されており、どのように会社に貢献するかが明確化され、その評価も決まっている。メンバーシップ型は団子状態で行動し、同じな仕事をやるうえでは効率的。しかし、変革の時代にあっては、同一の理解を浸透させるのに時間がかかり、浸透したころには当初の事象は終了しているという現象が発生する。今のようにM&Aが常態化している場合は、メンバーシップ型のスキルを磨くのも難しいだろう。Afterコロナで大きく変化するだろう。

〇日本の女性活用といえば、ジェンダーギャップ指数は、安部首相が就任する前の96位から、女性活躍を進めたにもかかわらず昨年は121位。相対値比較なので他の国が圧倒的に頑張って進んでいるということになる。女性というマイノリティを活用するメリットを各国の企業のトップが認識している結果ともいえるが、日本だけが認識していないのかもしれない。日本でも、本当の意味で女性活躍を進めている企業は多くはない。決してポジティブな理由だけでなく「やらねばならない」という意識で進めている。このこととコロナの影響の関係はといえば、女性活用は女性のためにやるわけではなく、競争に生き残るため、ビジネスモデルを変えるためである。過去のビジネスモデルにしがみついていてはダメで、過去のビジネスにも女性を巻き込んで新しいビジネスにするためである。多様性＝女性ではなく、外国人、LGBTもあるが、まず多様性の第一歩として女性をターゲットにするのは、ハードルが低いし、各社にたくさんいるから。女性がどんどん管理職に上がっていくのは良いが、課長では声が届かないので、執行役員・取締役に就任し、声を届かせることが一番大事。ただし、外から採用するのではなく、課長からステップアップして上がっていくのが大事。課長に上がったぐらいで息切れしたり、女性比率が3割、4割いると満足しているようではダメで、比率が3割なら、管理職も3割でないとおかしい。

〇J-Winでは女性の意識改革を10年以上やってきた。「オールド・ボーイズ・ネットワーク」は世界中に存在していて、会社の中のしきたり・ルール・約束事・仕事の渡し方などの暗黙の世界のこと。今やデジタル時代であうんの呼吸がきかない状況であり、日本でもこのバリアが低くなるだろう。Afterコロナは、テクノロジー進化も進む。どうやってアイディアを入れるか、会社の中で進化を遂げるか。今までのしきたりを変えていくことになる。ここでますます、男性、女性ではなく個人が認識され、評価される。家でもどこでも仕事ができ、男性でも女性でもできる。

〇皆さんは超特急で上がってきていると思うが、各社とも女性たちを意思決定プロセスに入れたいと思っている背景があり、悪いことではなく誇っても良いこと。しかし、経験していないことが多いことも認識してほしい。経験する時間もなく昇進させられたことは、弱みであると認識すべきで、これは超特急で克服するしかない。忙しいとは思うが、弱点、勉強すべき点を洗い出して助け合うべき。様々な分野のエキスパートがいるので、自分の経験とスキルとノウハウを高めるために、このネットワークをつかって高めてほしい。

〇エグゼクティブとして、若い人を刺激して、伸ばしてほしい。日本企業の男性は本当に優秀だが、グローバルが弱く、これからの世の中は、そのようなことでは勝てない。知識・経験は大事だが、人脈がどれだけあるかは一つの差別化できる要素と言える。このJ-Winのネットワークも人脈。これだけ執行役員が集まっているところはなかなかない。グローバル人脈、リレーションをもってお互い助け合えることが大事。グローバルでは、自分の想い・発想を論理的に伝えてほしい。あとは場数を踏み、尻込みしないでほしい。大使館とのリレーションは、文化・評価・価値観の違いを知り、テレワークやその他の観点でも海外の標準を学べるチャンス。変化の激しい中、自分たち（日本）を褒めている場合ではないので、オープンエンドにぜひ拡大してほしい。日本のグローバル化、人材のグローバル化を、先頭を切って進めてほしい。

〇国内外の団体、企業等と連携し、外に向かったネットワークを作ってほしい。J-Win Executiveネットワークという名前で、他の団体との関係を積み上げてほしい。個人ではできないがお互いに補完し合うことができる。日本中、世界中で本当の意味で世の中を変えていくということにつながり、若い人のロールモデルともなり得る。すごいことを期待されているみたいに聞こえるだろうが、自然体で構わない。これが次のステップをつくることになる。Afterコロナはダイバーシティにとって、ジャンプできるチャンス。自分のポジションを高めて、各々の分野で活躍し、日本の産業界を高めることに貢献してほしい。