「J-Win Executive ネットワーク 10月度定例会」を、2018年10月10日(水)に港区のアークヒルズクラブで開催し、28名のメンバーが参加しました。
■企業不祥事のコーポレートガバナンスとリスクマネジメント
今回は、プロアクト法律事務所の竹内朗弁護士を講師に迎え、「役員のためのコーポレートガバナンスとリスクマネジメントの新常識」というテーマで講演が行われました。
不祥事の予防統制・発見統制から再発防止まで解説いただき、経営層も含めた啓蒙、リスク管理分野の人材育成などの課題について質疑応答が交わされました。
以下に講演の様子をダイジェストでご紹介します。
(*肩書き等は講演当時のものです)
企業における不祥事は、どんなに未然防止を尽くしても完全に防ぐことはできません。だからこそ、早期に発見し、早期に是正できる体制を整備してダメージコントロールを図ることが必要です。また、過去の事例を見ても、経営者が自社の不祥事を発見するのは難しいということがわかります。さらに、不祥事が発生してから発見して是正するまでの時間が長いほど、会社は深刻なダメージを受けることになりますので、早期発見のための発見統制の強化が重要なのです。企業のリスクマネジメント体制においては、不祥事を発生させないための「予防統制」と、異変にいち早く気づくための「発見統制」という2つの内部統制が重要になってきます。例えば、ある事業所で長年にわたって不正行為が行われていたことが後々に発覚するようなケースがあります。こうした事例は、予防だけでは不十分で、発見するための機能をどのように実装するかという点が重要だということを物語っています。不祥事の未然防止と早期発見といった平常時のリスク管理、そして不祥事が発覚してからの事実調査、原因究明を経て検討された再発防止策を今後の「予防統制「発見統制」に実装することで、これまでの不備を克服することつながっていくのです。【竹内 朗氏のPROFILE】
1990年早稲田大学法学部卒業、96年弁護士登録、2001年日興コーディアル証券㈱(現SMBC日興証券㈱)法務部勤務、2006年国広総合法律事務所パートナー、2010年プロアクト法律事務所開設。専門は、企業のリスクマネジメント、不祥事対応・事件事故発生時の危機対応、平時のリスク管理体制(内部統制システム、コンプライアンス体制)整備、会社法/コーポレートガバナンス、金融商品取引法、反社会的勢力排除、独禁法など。複数の上場会社の社外役員を務める。CFE(Certified Fraud Examiner:公認不正検査士)資格認定。