入社したとき、私は事務担当でした。でも、営業職に就きたいという意思を伝え、そして上司や先輩たちの力添えを頂き、3年目に希望だった営業職に転換することができました。そして入社以来9年間慣れ親しんだ名古屋支社を離れ、東京本社へ異動したのは、今から1 年ほど前のこと。振り返ってみると、異動当初半年強は本当に辛い期間でした。
地方支店から東京へ、しかも数少ない固定系(電話・インフラ・インターネット)の女性営業職の異動。そして異動した部署では、これまでと全く異なるフィールドの担当でした。住む場所や職場に慣れる間も、また営業としての種まきをする間もないままに求められるのは、高い成果ばかり。「成果を出したい」その一心で取り組むものの、すぐには成果が上がらないため、あせっていた時期だと思います。
そんな私に追い討ちをかけるように、上司は「俺の言うとおりに動けばいいんだ」と叱咤する状態です。上司とも折り合いが合わず、八方ふさがり状態。私はすっかり自信を失いかけていました。
"好き"ではなく"納得"
その違いがわかり、自信を取り戻す
そのお客様と出会いは、営業に伺ったのがきっかけでした。たまたまゴルフという共通の趣味があり、知り合って以来、仲良くさせて頂くようになり、いつしかメンター的な存在になっていました。その日も営業にお伺いしていたと思います。
東京に異動して8ヶ月、自信を失いかけている私に「自分が納得することをすればいいんだよ。そうすれば、人の役に立つから」と、励ましてくださったときのことは、今でも印象に残っています。
当時の私は、上司の言うことをそのまま実行すべきか、それとも意に背くことになっても自分の営業スタイルを貫くべきか、相当悩んでいました。でも、このひと言で改めて「納得できる仕事」について考える機会を得たように思います。
これまでお世話になった上司達から「好きなようにやりなさい」と言われ続けてきた私ですが「好きなように」ということは「好きなことをする」ということではなく、「自分が納得できることをする」ということだったんだと改めて考え、入社10 年以上たった自分が仕事に対する姿勢を考え直す、貴重な機会となりました。
お客様にとっても自社にとっても利益になる・・・win-win のビジネスを考えることが、自分の使命だと再認識できたことはとても大きいことでした。迷いが払拭されたおかげで、確実に成果を上げることができるようになり、当初折り合いのよくなかった上司とも理解し合って仕事をすることができるようになりました。
あの時、お客様にもらった言葉は、今も迷ったり悩んだりしたときに思い出す、かけがえのない言葉になっています。
~働く女性たちへのメッセージ~
周りの人たちに支えられてここまできた自分今度は頑張りたい人の背中を押すことができれば
営業の仕事は、大変なこともたくさんありますが、楽しい事もたくさんあります。今回の件のように、お客様に気づかせてもらう事、助けられる事も少なくありません。仕事を通して様々な出会いを経験できるのは、営業職の一番の魅力だと思っています。私を見て、営業職に興味を持ちはじめた女性もいます。私は今、ダイバーシティー推進室のプロジェクト業務を兼務しているのですが、かつて私が当時の上司や先輩に後押しをもらって営業職についたように、お客様からの励ましの言葉で自信を取り戻したように、今度は私が頑張りたい女性たちの背中を押せる存在になりたいと思っています。